部会講演会:県内経済の活性化には金融機関のサポートが重要
浜松商工会議所 金融・理財部会では、 1月25 日(水)グランドホテル浜松において、日本銀行静岡支店 支店長 秋山修氏を講師に招き、『今年の経済展望』をテーマに新春講演会を開催しました。
同氏は、今年の展望のポイントとして震災の影響と海外経済の動向を取り上げ「サプライチェーンの障害が回復し、復興需要による一時的な景気拡大が見込まれるものの、財政負担への懸念もあり、長期的な課題になる」と指摘しました。
海外経済のリスクについては、欧州の財政・経済問題による円高圧力が続くことや米国の景気後退懸念がやや後退していること、新興国のインフレリスクなどを挙げました。
また、静岡県の経済動向について同氏は「全国に比べて震災による影響が大きく、先行き不安が続いている。特に製造業では、自動車・二輪車関連業などの景況感が悪い。さらに、企業規模では、小企業になるほど業況が悪く、コスト面でもデフレにより国内の販売価格をあげられないギャップが生じており、非常に厳しい状態が続いている。そうした中、日本銀行の対応は、実質ゼロ金利政策は物価が安定するまで継続し、2013度も続くとの見通しを示している。資金供給、資産の買い入れについてはさらなる増額もありえるため、成長産業のサポートとして成長基盤強化のために継続して資金供給を行う」と県内の景況感や日本銀行の対応について説明しました。
最後に、静岡県の経済活性化に向けて、多様な製造業や豊かな農林水産・観光資源を活かした多面的なアプローチや横の連携が重要とし、地の利を活かした人の交流や物流を地域活性化の軸にしていくべきと提言しました。さらに製造業の海外進出や事業承継においても金融機関のより一層のサポートが求められていると聴講に詰めかけた170名余りの金融関係者に向かって檄をとばしました。
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