【報告】広域連合設置に向けて検討

県境を跨ぐ三遠南信地域(愛知県東三河、静岡県遠州、長野県南信州の3地域)の48商工会議所・商工会及び27市町村の代表、地域住民等が一堂に会し、今回で20回目を迎えた『三遠南信サミット2012in東三河』が、10月2日(火)ホテル日航豊橋において開催され、各地域から約600名が参加しました。
今回のサミットは、「三遠南信の歩みと未来~県境連携の先駆けとしての地域創造~」をテーマに、現状の課題や今後の展開に必要な取り組みについて議論を交わしました。
全体会では、東京大学大学院工学系研究科教授(日本学術会議会長)大西 隆氏より「これからの国土計画と三遠南信への期待」をテーマに基調講演が行われました。続いて行われた分科会では、「道」「技」「風土」「山・住」の4 つのグループに分かれました。「道」では、県境連携を促進する地域基盤整備の状況と展望、「技」では、地域産業の持続的発展を目指した新産業創造と人材の育成、「風土」では、ご当地グルメを通じた三遠南信地域ファンづくり、「山・住」では、中山間地域の生活環境向上に繋がる、人・ものの交流促進について、それぞれ意見交換を行いました。
最後の報告会では、各コーディネーターより分科会の成果発表があり、また、3市長3商工会議所会頭を代表して佐原光一豊橋市長よりサミット宣言を発表しました。
なお、「サミット宣言」は次のとおりです。
(1)三遠南信自動車道の一部供用開始に伴い、救急・防災体制の充実、産業・観光活動の活発化など効果が実感されています。早期全線開通への地域住民の期待は一層高まっており、現道活用区間の整備などミッシングリンクの解消が必要であることを確認しました。圏域の一体的な発展のため、三遠南信自動車道の早期全線開通、浜松三ヶ日・豊橋道路の整備、さらに、リニア中央新幹線の早期開業、三遠伊勢連絡道路の実現を目指し、三遠南信地域連携ビジョン推進会議を中心とし、地域一体となった提言活動等を進めます。
(2)地域の強みである既存産業の高度化と産業基盤を活かした新産業の創出を目指すため、「三遠南信地域基本計画」や「地域イノベーション戦略推進事業(国際競争力強化地域)」による広域連携、産学官金連携をより一層強化し、オープン・イノベーションによる研究開発の促進、海外市場を意識した販路開拓、人材育成を推進します。
また、三遠南信地域内の大学連携に産官金との連携も加え、各界の代表者による議論の場を設けるなど、人財育成等について引き続き検討していきます。
(3)「塩の道エコミュージアム」を構成する自然、歴史、文化、産物など地域資源の保全、発掘、活用事業に取り組む民間団体との連携を図るとともに、三遠南信地域の情報発信力を高め、地域固有の商品・サービスの提供により、三遠南信地域における持続的な観光客誘致を促進します。
(4)中山間地域の生活環境の向上及び上下流域定住施策の推進のために必要な、人・ものの交流・連携を図るとともに、情報発信体制の整備を進めます。また、安全・安心な地域の形成に向け、広域的また局地的に発生する地震や台風等の災害に対応するため、県境を越える防災体制の強化について相互連携して取り組み、防災力の向上を図ります。
(5)三遠南信地域連携ビジョン推進会議の新・連携組織については、官民連携組織である現在の組織の体制強化を図るため、大学・住民団体など他団体との連携強化や平成28年度を目途とした広域連合設置に向けた検討を含め、専門委員会として設置した新・連携組織検討委員会において鋭意協議を進めます。
【問合先】浜松商工会議所商業観光課
(TEL452-1114/FAX452-6685)
E-mail:shogyo@hamamatsu-cci.or.jp