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11月号特集)共和レザー株式会社

2026年11月01日

老舗メーカーが誇る超高耐久の合成皮革を使った、BtoCの挑戦

自社の独自技術を強みとして再定義

自動車内装用の合成皮革メーカーとして、国内ナンバーワンのシェアを誇る共和レザー。耐久性の高い自社素材を活用し、2021年に自社ブランドSobagni(ソバニ)を立ち上げた。トレンド消費型の社会に向けて、新しい価値基準を提案する独自のエシカル観と、BtoCに挑む実情に迫る。



「エシカル(Ethical)」とは
直訳すると「倫理的な・道徳上の」という意味を持つ言葉。ビジネスにおいては「人や地域、地球環境にやさしい考え方や行動」を指す。例えば、環境に配慮した素材を選ぶことや、地産地消、伝統技術の継承、フェアトレード製品の取り扱いなどもその一つ。


 

私たちが考えるエシカルとは、高品質な素材を活用し、ずっとそばに寄り添えるアイテムをつくることです。買い替えの必要を減らし、無駄な消費をなくしたいと考えています」。そう語るのは、共和レザーでSobagni事業部を取りまとめる和田剛氏。

同事業部では、自社開発素材を使ったバッグや小物など、幅広い製品をそろえるオリジナルブランドSobagniを展開している。製品の最大の特徴は、10年以上にわたって美しい状態を保つ耐久性だ。一般的な合成皮革のように、経年劣化によってひび割れることがない。つまり加水分解が起こりにくいのだ。

この素材こそが、創業90年を超える共和レザーが生み出した、自動車の内装用合成皮革である。

 

高耐久かつリアルな質感

同社が製造する合成皮革は、主に高級車のシートやインストルメントパネルといった内装に使われている。過酷な車内環境に耐えられるよう、水分、紫外線、高温、摩耗に対する耐久性を極限まで高めている。

材料には、短期間で劣化しやすいポリエステル系ポリウレタンを使わず、加水分解に強いポリカーボネート系ポリウレタンを使用。材料の配合から、裏地の基布の選定、加工に至るまで、製造技術を徹底的に追究し、強靭で加工しやすい素材を形にしている。

この素材は、温度70度、湿度95%というジャングルのような環境で、10年相当の劣化促進試験(ジャングルテスト)を行ってもほとんど劣化しない。それでいて軽く、水拭きで汚れが落ちるほどメンテナンス性が高い。

丈夫なだけではない。高い技術力により、天然皮革を思わせるリアルな色の深みや凸凹感を表現。触り心地はしっとりとなめらかで、本革のような高級感を持つ。

 

素材の価値を広くアピール BtoCへの新たな挑戦

自動車メーカーの黒子としてクルマ生産を支えてきた同社が、オリジナルブランドを立ち上げた理由。その一つが、「自社が誇る素材の価値を、エンドユーザーへ直接届けたい」という情熱だ。

この老舗メーカーが持つ合成皮革製造の独自技術は、客観的に再解釈すれば「買い替えを必要としないエシカルな素材」としての魅力を備える。これがBtoCに挑戦する原動力になったといえる。

素材の価値を広く知ってもらうため、Sobagniではバッグだけでなく、ゴルフ用品、雑貨、文具などの小物類まで製品を充実させてきた。

さらに、認知拡大に向けてさまざまな取り組みを模索している。ECサイトの運営のほか、自社ショールームでの販売や、浜松市内4カ所での委託販売も実施している。

浜松のランドセルメーカー「ことゆく社」とコラボした超軽量ランドセル「ことゆくラック-カラック-」をはじめ、新商品も続々と開発。並行してBtoB戦略を進め、ホテルのアメニティ、企業やスポーツチーム向けのノベルティ製造も行っている。

 

顧客の声を味方に進化

自社での直接販売は、社内にも変化をもたらした。社員がエンドユーザーと直接触れ合える機会が生まれたからだ。

ECサイトに寄せられる、「軽くて柔らかい」「上品な生地感で高見えします」「定番色を増やしてほしい」といったレビューは、毎月、チーム全員で内容を確認し共有している。スタッフにとって顧客の声は、モチベーションを高め、新たな企画を生む原動力となっている。

「合成皮革のイメージを、より高い位置へ引き上げたいと思っています」と語る和田氏。何年も美しい状態で使え、飽きた後も別の製品へリメイクできるほどの耐久力が、「汚れるから」「すぐダメになるから」と諦めてきたファッションの悩みを解決する。真っ白なバッグでさえ、気軽に日常使いができるのだ。

自社が誇る技術力を、エシカルという文脈で再定義したSobagniの試みは始まったばかり。その先にあるのは、お気に入りのアイテムをずっと永く使い続けられる社会だ。使い捨ての概念をなくす同社のチャレンジは、これからも続いていく。

 

エシカル合皮ブランド▼
Sobagni

 



Sobagni事業部
ブランド推進部
和田 剛 部長


Sobagni事業部
ブランド推進部
村田圭司 部長代理

 

合成樹脂製品製造
共和レザー株式会社

1935年創業の素材メーカー。自社で開発・製造する自動車用合成皮革は、国内シェア70%を占め、世界でもトップクラスのシェアを誇る。住宅用フィルムなども製造している。自動車基準を満たす高耐久の合成皮革を材料に、2021年から自社ブランド「Sobagni(ソバニ)」を展開。ECサイトなどで販売している。
浜松市中央区東町
HP:https://www.kyowale.co.jp/

 

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