お知らせ

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人材採用状況に関するアンケート結果

2026年08月01日

■調査概要

調査期間:2026年6月9日(火)~6月14日(日)
調査対象:浜松商工会議所 会員事業所
調査方法:メール配信によるオンライン調査
有効回答数:182件
回答企業の内訳:

 

■調査結果

1.実質的な「人材不足」は8割強に達し、地域企業の深刻な死活問題へ
採用活動を実施した企業(153社)のうち、計画通り確保できた企業はわずか19.6%(30社)にとどまります。残り80.4%(123社)(全体182社ベースでは67.6%)が「一部不足」または「大幅不足・採用ゼロ」に陥っており、多くの事業所で欠員補充や事業拡大の足枷となっています。

2.「低コスト採用の限界」と「大規模投資におけるミスマッチ」の二極化
採用コスト「10万円未満」の企業の72.5%が人材不足を訴える一方で、100万円以上の高額費用を投じた企業でも66.2%が不足を訴えています。「無料・低コスト手法では応募自体が来ない」課題と、「高額な求人広告や人材紹介を使っても期待する人材(スキル・マインド)とマッチしない」構造的課題が同時に発生しています。

3.業種・規模による採用ターゲットの偏りと技能継承危機の顕在化
BtoB企業(製造業等)では中途採用(91.1%)や高卒採用(45.6%)への依存度が高く、理系・現場技術人材の激しい争奪戦により若手の確保が困難を極めています。自由記述からは、大企業流出による「応募不足」に加え、「社員高齢化と技術継承の途絶」「求めるスキルとのアンマッチ」に対する経営者の切実な苦悩が浮き彫りになりました。

 


■ 1. 調査結果の概要(単純集計)

(1) Q1. 採用活動の成否・充足感
採用活動を実施した企業は全182社中153社(84.1%)であり、残り29社(15.9%)は「ここ1~2年は採用活動自体を行っていない」状況でした。

【採用活動の有無】

項目 件数 比率
1.実施した 153 84.1%
 1.計画通り、十分な人数を採用できている 30 16.5%
 2.概ね採用できているが、一部の職種・部門で不足している 77 42.3%
 3.採用活動を行っているが、計画に対して大幅に不足している 33 18.1%
 4.採用活動を行ったが、1人も採用できなかった 13 7.1%
2.実施せず 29 15.9%
 5.ここ1-2年は採用活動自体を行っていない 29 15.9%
総計 182 100.0%

 

採用活動を行った153社に限定してみると、「不足している」と感じている企業は80.4%(123社)に上り、「1人も採用できなかった」企業も13社(8.5%)存在します。特に中小・小規模事業所において、慢性的な人材供給不足が深刻な経営課題となっていることが数値から読み取れます。

【充足感区分(採用活動実施企業)】

分類・項目 件数 比率
1.確保できた 30 19.6%
 1.計画通り、十分な人数を採用できている 30 19.6%
2.不足している 123 80.4%
 2.概ね採用できているが、一部の職種・部門で不足している 77 50.3%
 3.採用活動を行っているが、計画に対して大幅に不足している 33 21.6%
 4.採用活動を行ったが、1人も採用できなかった 13 8.5%
総計 153 100.0%

 

(2) Q2. 採用実績区分(複数選択)
採用手段の主流は「中途採用(正社員)」(80.7%)であり、即戦力や不足枠の即時補充を求める企業が多いことが分かります。次いで「非正規雇用」(52.1%)が高く、新卒採用(大卒等40.7%、高卒34.3%)は中途採用に比べると実施企業が限定的です。

項目 件数 選択率(N=140)
1.新卒採用(大卒・短大・専門卒など) 57 40.7%
2.新卒採用(高卒) 48 34.3%
3.中途採用(正社員) 113 80.7%
4.非正規雇用(パート・アルバイト・契約社員など) 73 52.1%
5.直近の採用実績はない 2 1.4%
総計 293 209.2%

※Q2採用実績の区分については、回答のあった企業および採用活動を実施した企業を母数として算出しました。選択率は、実績回答企業140社に対する割合。複数回答可としておりのため合計は100%になりません。

 

(3) Q3. 採用コスト(年間費用)
採用コストは「10万円未満」(26.1%)の低予算帯と、「100万円以上」(合計41.9%)の高予算帯に二極化しています。ハローワーク等の無料媒体に依存する企業群がある一方で、民間求人ポータルや人材紹介の利用に伴い数百万円規模の投資を余儀なくされている企業が一定数存在します。


 

■ 2. クロス分析から見えた構造的課題(クロス集計)

(1) 「Q3 採用コスト」×「Q1 充足感」のクロス分析
採用活動を実施した153社を対象に、採用コストと充足感の関係を分析しました。

お金をかけても採用不足が解消しない現実
100万円以上300万円未満のコストをかけた企業の91.4%(32社/35社)が「不足している」と回答しています。500万円以上を投じた企業でも77.8%が不足感を抱えており、単に「予算を増やして求人広告を出す・紹介会社を使う」だけでは充足につながらない実態が示されています。

・低コストで成功している企業の特徴
10万円未満で「確保できた」11社(全体の36.7%)が存在します。これらの企業は、自社HPの充実、リファラル採用(社員紹介)、地元の学校・機関との密接なネットワーク形成など、費用を掛けずに独自チャネルを確立していると考えられます。

【Q3.採用コスト×Q1.充足感】

区分 1.確保できた 2.不足している 総計 不足率
件数 比率 件数 比率 件数 比率
1.10万円未満(ほとんど費用をかけていない) 11 36.7% 29 23.6% 40 26.1% 72.5%
2.10万円以上50万円未満 4 13.3% 17 13.8% 21 13.7% 81.0%
3.50万円以上100万円未満 3 10.0% 14 11.4% 17 11.1% 82.4%
4.100万円以上300万円未満 3 10.0% 32 26.0% 35 22.9% 91.4%
5.300万円以上500万円未満 3 10.0% 8 6.5% 11 7.2% 72.7%
6.500万円以上 4 13.3% 14 11.4% 18 11.8% 77.8%
7.分からない・答えたくない 2 6.7% 9 7.3% 11 7.2% 81.8%
総計 30 100.0% 123 100.0% 153 100.0% 80.4%

 

(2) 「従業員グループ」×「Q1 採用成否」のクロス分析

・小規模事業者の採用二極化と諦め感
小規模事業者(76社)の35.5%が採用活動自体を行っていません。また採用を実施した49社中9社(18.4%)が「1人も採用できなかった」となっており、求人枠に対する応募獲得に最も苦戦しています。

・中小企業の「部分的不足」の慢性化
中小企業(94社)の61.7%が「概ね採用できているが一部不足」と回答。全社的な壊滅は免れているものの、特定の専門職種や現場・若手層の穴が埋まらない状況が継続しています。

【従業員グループ×Q1.充足感】

区分 1.計画通り 2.一部不足 3.大幅不足 4.採用不可 5.未実施 総計 不足企業数 採用企業数 不足率
件数 比率 件数 比率 件数 比率 件数 比率 件数 比率
1.小規模事業者 14 18.4% 13 17.1% 13 17.1% 9 11.8% 27 35.5% 76 35 49 71.4%
2.中小企業 13 13.8% 58 61.7% 17 18.1% 4 4.3% 2 2.1% 94 79 92 85.9%
3.大企業 3 25.0% 6 50.0% 3 25.0% 0 0.0% 0 0.0% 12 9 12 75.0%
総計 30 16.5% 77 42.3% 33 18.1% 13 7.1% 29 15.9% 182 123 153 80.4%

 

(3) 「業種グループ」×「Q2 採用実績区分」のクロス分析

・BtoB企業の高い「中途・高卒依存」
BtoB企業では91.1%が中途正社員を採用対象としており、さらに新卒(高卒)も45.6%と高い割合を占めます。地元の製造業・建設業を中心に、現場を支える高卒・中途人材の争奪戦が極めて激化しています。

・BtoC企業の「非正規雇用主導」構造
BtoC企業では70.6%がパート・アルバイト等の非正規雇用を活用しており、店舗運営や接客スタッフの確保が最大の関心事となっています。

※Q2で回答のあったアクティブ企業ベース(各業種内のQ2回答社数に対する割合)

【業種グループ×Q2.採用実績区分】

区分 1.新卒(大卒等) 2.新卒(高卒) 3.中途(正社員) 4.非正規雇用 回答企業数
件数 比率 件数 比率 件数 比率 件数 比率
1.BtoB企業 33 41.8% 36 45.6% 72 91.1% 33 41.8% 79
2.BtoC企業 12 36.4% 4 12.1% 20 60.6% 24 72.7% 33
3.その他 12 46.2% 8 30.8% 21 80.8% 16 61.5% 26
総計 57 41.3% 48 34.8% 113 81.9% 73 52.9% 138

 

■ 3. 現場の声・切実な課題(自由記述分析:Q4)

自由記述(Q4)に寄せられた126件の回答を分類・構造化した結果、採用が「不足している」企業(89件)を中心に、現場の経営層が直面している極めて生々しい課題が抽出されました。

採用不振企業(充足感=不足している)の生々しい実態

1.「応募自体が全く来ない」という母集団形成の壁
知名度のない中小企業やBtoB企業において、「求人ナビに掲載しても応募がゼロ」「ハローワークでは全く反応がない」という悲痛な声が相次いでいます。

2.大手志向と地域人材の争奪戦・大手流出
売り手市場の加速に伴い、求職者・学生・保護者の「大手企業志向」が強まり、中小企業に人材が回ってこない構造が指摘されています。

3.「理系・技術職・職人」の決定的な枯渇と技術継承の途絶
・浜松地域の基幹産業であるものづくり分野や建設・土木業界において、若手の理系人材や技術者、職人志向の求職者が著しく減少しています。
・「地元で土木を学んでいる人材が少なく、技術職のため求めるレベルを下げられない」(建設コンサル)
・「ものつくりの職人がいなくて困っている。職人的思考を求められなくなった」(金属加工)
・「社員の高齢化とスキルの継承まで考えた採用をしたいが、現場の即戦力要求との板挟みになっている」(情報通信)

4.採用コストの高騰とミスマッチのジレンマ
無料求人では集まらず、人材紹介や有料求人広告を利用せざるを得ないものの、「高額な紹介料が経営を圧迫する」「数回の面接では実際のスキルや人柄(自社カルチャーへの適合)が見抜けず、ミスマッチが起きる」という二重苦に直面しています。

・「人材紹介料が高すぎて経営を圧迫している。スキルアンマッチも多い」(サービス業)
・「中途採用の際、2回程度の面接だけではスキルレベルや人柄を正しく判断できない」(製造業)

5.労働条件・作業環境に対する拒絶感
・工場での現場作業、3K(きつい・汚い・危険)イメージのある職場、休日数や賃金の条件差により、若年層から敬遠される傾向が顕著です。
・「工場なので汚れるのを嫌う人が多い。給与面も課題」(刃物製造)
・「業務に必要な運転免許の保有者が減り、職場環境が夏場過酷なため応募がない」(建設業)

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