5月号特集)青年部 躍動未来 ~挑戦のその先へ、浜松の未来のために~
個社を越えた連携が新たな価値を生む
挑戦を重ね、次世代へつなぐ実行集団
40周年記念事業や関東ブロック大会の誘致を経て、青年部は次の段階へと進もうとしている。いま問われているのは、これまで培ってきた力をどう地域に還元していくかという点だ。歴代会長と今年度会長の3人に話を聞いた。
ー前年度会長として、40周年記念事業を成功させました。
豊田 まずはメンバーをはじめ、親会※や事務局、OB・OGの皆さまの支えがあってこそだと感じています。40周年事業は年度開始前から一大プロジェクトとして位置付け、無事にやり切ることができました。「40周年」と一言で言えてしまいますが、その背景には、先輩方が積み重ねてきた歴史や地域への思い、仲間と共に挑戦を続けてきた行動力があることを改めて実感しました。
昨年度は、2030年開催の関東ブロック大会※※の誘致にも成功。私自身は大会開催年には青年部を卒業しているため、40 歳以下の若手メンバーによるプロジェクトチームを立ち上げ、主体的に動ける体制づくりを進めてきました。彼らが中心となって準備に取り組んだことで、次の世代へバトンをつなぐ形ができたと感じています。
※親会……浜松商工会議所の本組織(通常組織)を指す通称
※※関東ブロック大会……関東圏9都県・約88単会、約8000名が所属する商工会議所青年部の大規模大会。
開催地には例年3000~4000人が集まり、地域経済への波及効果とともに、地域の魅力を広く発信する機会にもなっている。
ー元会長として、青年部ならではの特徴や強みは何だとお考えでしょうか。
中山 一番の強みは、組織としての力だと思います。多くの経営者が集まっているからこそ、1社だけではできないことも青年部としてなら実現できる。実際に私が関わった事業でも、チャーター機を使った移動や海外視察など、通常の企業活動 ではなかなかできない経験をさせてもらいました。
さらに、そのプロセス自体が学びになる点も大きな特徴です。青年部では事業計画書を作成し、メンバーの合意形成を図る必要があります。価値観の異なる経営者たちを相手に、どう伝え、どう納得してもらうか。簡単ではないですが、その試行錯誤の積み重ねが大きな学びになりました。
ー今年度の会長として感じる課題感と、今年チャレンジしたいことをお聞かせください。
村上 コロナ禍では活動が大きく制限されたこともあり、メンバーの中にはコロナ前の青年部の活動を知らない人も増えてきました。その影響で、これまで受け継がれてきたノウハウや、挑戦する気風がやや薄れていると感じています。そのため、今年度は“ 挑戦する風土”をもう一度取り戻したいと考えています。私自身、中山会長の時代に入会し、地域に向けて発信し、還元していく活動の面白さを体感してきました。本来の青年部の役割は、地域を元気にすることです。組織の成り立ちや役割を改めて見つめ直し、その上で、外に向けた全体事業にも挑戦する一年にしていきます。
▲昨年3月、浜松市役所で中野祐介市長に「災害に強いスマートシティ」と題した2024年度の政策提言を行った。浜松版防災認定制度の創設や企業のBCP訓練の普及、デジタルを活用した情報共有など、防災・減災の強化策を要望した
ー青年部の魅力とはどのようなものでしょうか。
豊田 青年部の魅力は、よく“大人の部活動”と表現しています。中学や高校の部活動のように、一つの目標に向かって全員で本気になって取り組み、その達成感を分かち合う。そんな高揚感を、大人になってからもう一度味わえるのが、この青年部の面白さです。
価値観の近い同年代の経営者が集まっているため、自然と打ち解けやすく、居心地もいい。事業を一緒につくる中で関係性も深まり、気付けば仕事や人生の相談までできる仲間になっている。本気で取り組むからこそ達成感も大きく、その経験が自社の経営にもつながっていく。楽しさと学びの両方あるところが、青年部の魅力だと感じています。
村上 私は“人とのつながり”だと思います。入会して以来、さまざまな業種の経営者と出会い、年齢の離れた先輩とも立場を越えて率直に相談できる関係性を築いてきました。そうした仲間の存在は、経営者として非常に心強いものです。また、仕事で困ったときも相談すれば解決の糸口が見つかる。そうした経験を通じて、人脈の持つ力の大きさも実感してきました。
もう一つは、挑戦できる環境があることです。一企業では難しいことにも挑戦でき、失敗も含めて経験を積み重ねていける。そうした実践の機会こそが、得難い「挑戦と経験」になると思います。
ー元会長として、青年部へアドバイスをお願いします。
中山 まず大前提として、青年部には「綱領」と「指針」があります。時代がどう変わっても、そこが原点です。何をやるにしても、その軸だけはぶらさずにいてほしいですね。その上で、あとは好きにやればいい。今の時代に合ったやり方で、自分たちがやりたいことをしっかり考え、形にしていけばいいと思います。過去にとらわれる必要はありませんし、今だからできることも多いはずです。
ただ、言うだけで終わらせないことも大事です。青年部は、考えたことを自分たちで実行していく組織です。提言するだけでなく、まず自分たちでやってみる。その積み重ねが、地域や組織の力になっていくはずです。
ー青年部への入会を考えている方へメッセージを。
村上 私が理想とする姿は、青年部が地域を元気にする“実行集団”であることです。ただ、まだ十分に到達しているとは言えないため、次の世代につながる土台をしっかりつくっていきたいと考えています。そのためにも、新たに入会する若手経済人を求めています。多様なメンバーと共に事業をつくる中で、互いに刺激を受けながら、自分自身も自社も成長していく。地域をより良くしたいという思いがあれば、ぜひ一歩踏み出していただきたいです。その先に、新たな成長とつながりが待っていると思います。
2025年度会長 豊田晃央
株式会社浜建 代表取締役社長
[総合建設業]
公共施設から住宅、店舗、工場まで幅広い建築を手掛け、土木やリフォーム、不動産にも対応。設計から施工、アフターサービスまでを一貫して担い、地域に根差した事業を展開している。プライベートでは2児の父でもある。
●浜松市中央区和地町
2026年度会長 村上哲平
株式会社村上産業 代表取締役社長
[警備業・化成品販売業]
交通誘導やイベント警備、巡回警備などのセキュリティ事業を中心に、化成品の販売や設備メンテナンスなど、複数拠点で幅広く事業を展開している。休日はゴルフやサッカーを楽しむほか、歌舞伎鑑賞にも関心を寄せている。
●浜松市中央区曳馬
2015年度会長 中山彰人
浜松倉庫株式会社 代表取締役社長
[総合物流業・駐車場業・外食業]
創業1907年、倉庫・運送を基盤とした物流事業に加え、駐車場や地ビールレストランなどの事業も展開。持続可能な企業であり続けるために、DX推進等を進め、2024年には経済産業省DXセレクショングランプリを受賞。ゴルフを楽しみ、ミュージカル鑑賞にも親しむ。
●浜松市中央区中央