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賃上げに関するアンケート結果

2026年06月01日

中小企業の賃金実態アンケート結果

「防衛的賃上げ」の現状と課題


■ 調査概要

本調査は、会員企業における賃金の実態と課題を把握し、今後の支援施策や政策提言に活かすことを目的として実施しました。地域経済を支える中小企業、特に小規模事業者の実情を反映したものとなっています。

調査目的:中小企業の賃上げ実態と課題の把握
調査期間:2026年4月6日~10日
調査方法:会員企業へのアンケート調査
有効回答数:333社(うち54%が従業員20名以下の小規模事業者)


■ 現状認識:中小企業を取り巻く厳しい環境

現在、中小企業は「 物価上昇の長期化」「 人手不足の深刻化」という二重の課題に直面しています。
これまで賃上げは、業績向上に伴う成果配分の意味合いが強いものでしたが、現在は「人材確保・雇用維持のための必要不可欠な対応」へと大きく変化しています。


■ 1.賃上げの実施状況

調査の結果、82%の企業が賃上げを実施または予定していることが分かりました。

実施済み:54%
実施予定:28%

多くの企業が人手不足に対応するため、賃上げに踏み切っている状況です。

規模による格差

一方で、企業規模による差も明確に表れています。

従業員301名以上:約86%が賃上げ実施
従業員5名以下:約45%に留まる

特に小規模企業では、必要性を認識しながらも、実施に踏み切れない現状が浮き彫りとなりました。


■ 2.賃上げの主な理由

賃上げの理由(複数回答)は、以下の通りです。

1. 物価上昇への対応(67%)
2. 人材確保(58%)
3. 離職防止(41%)

一方で、 業績向上を理由とする企業は16%にとどまりました。

つまり、多くの企業にとって賃上げは、「成長の成果」ではなく「経営を維持するための対応」となっています。

業種別の特徴

製造業などBtoB企業:物価上昇の影響が大きい
サービス・小売業:最低賃金対応が重要課題

それぞれ異なる外部要因により、賃上げが迫られている実態が見られます。


■ 3.賃上げの原資と課題

賃上げの原資は主に以下の通りです。

利益増加(42%)
価格転嫁(42%)

しかし実態としては、十分な利益増加を伴わない中での対応が多く、経営の負担となっています。

現場から見える「4つの課題」

自由回答からは、次の課題が浮き彫りとなりました。

(1)価格転嫁の難しさ
  取引先との関係性から、コスト増を十分に反映できない

(2)従業員との認識ギャップ
  大企業の賃上げ報道との比較により、期待値が高まる

(3)制度面の課題
  • 社会保険料の増加
  • 扶養の壁による働き控え

(4)経営への影響
  「賃上げが経営を圧迫する」という切実な声も多数


■ 4.今後に向けた方向性

本調査から、中小企業は「人材維持のために負担を増やし続ける状況」にあることが明らかとなりました。
持続的な経営のためには、以下の対応が重要です。

企業としての取り組み

適正な価格転嫁の推進
付加価値向上による収益力強化

制度面への対応

社会保険料負担の軽減
扶養制度の見直し

商工会議所としても、これらの課題を国や自治体へ事業者の声として届けることが重要と考えています。


■ まとめ

賃上げ実施率は82%に達し、人手不足への対応として広がっている
ただし、小規模企業では実施率が低く、規模間格差が拡大
賃上げの多くは業績ではなく「防衛的対応」
価格転嫁や制度面の課題が大きな障壁となっている

※今回のアンケート結果の詳細を資料にまとめました。下記よりダウンロードいただけます

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