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10月号特集2)4団体連携事業訪問事例_(株)ヤマト製作所

2025年10月01日

4団体連携事業所訪問をきっかけに停滞を打破し、挑戦を加速させる

課題や目標に対する的確な伴走支援で社内変革を促し、成長し続ける企業へ

輸送用機器部品の製造メーカー、ヤマト製作所は不安定な社会情勢を前に事業の多角化を目指す一方で、 社内の仕組みや体制における課題の解決にも迫られていた。そこで、4団体連携事業所訪問をきっかけに 取り組むべきことを明確化。以降、多岐にわたる支援を活用しながら、目標に向かって前進し続けている。


株式会社ヤマト製作所 代表取締役 小木丈生 社長(中央)、営業技術部 調達課 池谷佳之 課長(左)、経営企画室/総務部 宗田 涼 主任(右)

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長年、自動二輪車のエアクリーナーやオイルクリーナーの製造を中核事業としてきたヤマト製作所。しかし、かねてよりEV化や原材料費の高騰、取引先の海外への生産移管などの厳しい状況を受け、それだけに依存するのは危険だと感じていた。

「収益を確保し、持続的な成長を実現するためには、事業の柱を増やす必要があると考えていました」と、代表取締役社長の小木丈生氏は語る。

一方で、デジタル化や原価管理などの課題も山積しており、新規事業を含め、何から手を付けるべきか分からず暗中模索に陥っていた。そんな閉塞感を打開するきっかけとなったのが、4団体連携事業所訪問だ。ヒアリングをもとにさまざまな支援を提案される中で、潜在的な課題を洗い出すことができ、進むべき方向性が明確になったと小木氏は振り返る。

原価計算ワークショップで社員のコスト意識が向上

特に印象的な支援だったと語るのは、原価計算ワークショップだ。同社は以前から、各部署で製品ごとの正確な利益を把握できておらず、コスト意識が低いという課題を抱えていた。

そこで浜松イノベーション推進機構が専門家を派遣し、ワークショップを開催。単なるテクニックのレクチャーにとどまらず、「なぜ原価管理が重要なのか」という認識の共有から行われ、日々の業務と会社の利益とのつながりを深く考える機会になったと、経営企画室兼総務部の宗田涼氏は話す。

「専門家から『工場の整理整頓から始めるべき』と指摘されたことを鮮明に覚えています。会社の課題を自分事として考え、杓子定規な方法ではなく、私たちに合わせた改善提案をしてくれました」

現在は、原価管理システムの構築にも取り組んでおり、経営戦略の精度向上が期待される。

支援から新たな商機をつかむ

既存事業の販路拡大も、4団体連携事業所訪問を機に進展し始めた。同社が利用した「販路開拓コーディネート支援プログラム」では、大手企業OBで構成される経営支援NPOクラブと連携し、そのネットワークを生かした販路先を紹介することができる。

「新規先に飛び込み営業をかけても門前払いされることがほとんど。しかし、このプログラムではOBが縁を取り持ってくれるため、初めから面談に進めます。実際、農機具メーカーとの継続的なやりとりができています」と、営業技術部調達課の池谷佳之氏。

現在では、経営支援NPOクラブと直接契約を結び、継続的なサポートを受けている同社。自社にどんな専門家やサービスが適しているか分からず、自前で探すのは難しいと感じる企業にとって、課題に合った支援策を確実に提案してもらえる点は、4団体連携事業の大きな魅力といえるだろう。

そして、会社を挙げてさまざまな改革を進めることで、現状維持に危機感を抱く社員の能動的な成長にもつながっているという。さらに強固になった組織力を武器に、これからも同社の挑戦は続く。

 

株式会社ヤマト製作所
1966年創業。自動二輪車、汎用機用エアクリーナー、オイルクリーナー、その他エンジン部品の製造を行う。また、強みとするプラスチックの加工・溶着の技術や、設計から試作、量産、品質管理までの一貫生産体制を生かして新事業を展開。特に医療・看護・介護分野に注力しており、これまでにレントゲンに写る特殊プラスチック製の骨接合疑似プレートや横押しタイプの携帯酸素ボンベ用キャリーを製造。浜松に3工場、タイに1工場を展開。
●浜松市浜名区尾野
HP:https://yamatoseisakusyo.jp/

 

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