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特集3)対談(株式会社PR TIMES・ファンピッキング株式会社)

2025年03月01日

必要性が増す、ステークホルダーとのつながり

プレスリリースの活用で会社を飛躍に導く足掛かりを築く

広報における最もオーソドックスな手段、プレスリリース。メディアへの情報提供のツールと捉えられがちだが、今やその枠を超え、事業を推進する上で欠かせない取り組みの一つとなりつつある。そこで本特集の最後では、プレスリリースのスペシャリストの二人に、現在におけるその意義と目的、活用方法について再確認する。

高田育正
株式会社 PR TIMES パートナービジネス開発室長(以下:高)
夏目 環
ファンピッキング株式会社 夏目環代表取締役 
PR TIMES公認の初代プレスリリースエバンジェリスト(以下:夏)

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-以前と比べて、プレスリリースの活用の仕方に変化はありますか?

高 従来の資料を記者クラブのポストに投函する方法に加えて、弊社が提供しているようなプレスリリース配信サービスを利用する企業が増加し、その結果、プレスリリースを目にする人の幅が格段に広がりました。

今まではメディア関係者に“しか”届かなかった情報が、インターネット上でさまざまな個人によって直接見られるようになり、SNSで拡散されてさらに多くの人へと届けられる、という流れができています。

夏 「個人」といっても「消費者」という立場にはとどまりません。例えば「求職者」というケースもありますよね。

プレスリリースで自社の取り組みを発信しておけば、そういう人たちから好印象を得られ、スムーズなリクルーティングにつながることもあります。新聞などで取り上げられたとなれば、さらに良い効果が期待できるでしょう。実際、浜松のスタートアップ企業は、プレスリリースをうまく活用して人材採用や資金調達などを行っているようです。

-企業が情報発信する意義が、ますます大きくなっているのですね。では、プレスリリースでどんなことを発表すればいいのでしょうか?

 基本はやはり、新製品・新サービスリリースの情報です。しかし、それ以外にも「小中学校での講演」「毎朝の清掃活動」「ホームページのリニューアル」などの社会貢献活動や新たな試みを伝える内容でも構いません。地域の方々との接点をつくれるようなプレスリリースだとなお良いですね。

高 新聞の一面に載るような大々的な発表でなくても、大切な誰かに伝えたい内容であればプレスリリースを出す機会になり得ます。実際に弊社で配信しているプレスリリースを見てみると、その中身は多種多様。エリアで絞り込みができますので、静岡県ではどんなプレスリリースが出されているのか、ぜひ一度チェックしてみてください。

 

「タイトル」で引きつけて「思い」で信頼感と共感を醸成

-プレスリリースの必要性は理解していても、それを書くことにハードルの高さを感じている企業も少なくありません。

 実はプレスリリースは、ある程度型が決まっています。PR TIMESにも「イベント用」「新製品用」などたくさんのテンプレートが用意されているので、それらを使えば初めてでも取り組みやすいはず。あとは、5W2Hを押さえて書く、ウソや誇大な表現を避けるなど、基本的なことを意識すればOKです。

高 さらに言えば、タイトルにニュースバリュー、例えば時事性や独自性、社会性などを示すキーワードを盛り込めるといいですね。プレスリリースを受け取った人が、詳しく読もうかどうかを判断するために最初にチェックするのがタイトル。簡潔でありながらも相手の興味関心を引くような表現が好ましいです。

-夏目さんは、プレスリリースを書く機会が多いと思いますが、こだわっている点はありますか?

 企業の「思い」を盛り込むことです。社外の人には見えづらい部分だからこそ丁寧に聞き取りを行い、表現することで、その企業らしさが伝わるプレスリリースになるのです。

 

地元メディアは情報を待ち望んでいる

-プレスリリースを出すからには、メディアに取り上げてもらうことがゴールの一つになると思います。そのために心掛けるべきポイントは何ですか?

高 メディアから注目されやすい要素をプレスリリースに取り入れることをお勧めします。私たちはそれを「メディアフック」と呼んでいるのですが、「時流/季節性」「画像/映像」「逆説/対立」などいくつかポイントがありますので、発信する情報に合わせて意識的に反映させるといいでしょう。弊社が運営するウェブメディア『PR TIMES MAGAZINE』でも詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。

 画像や映像は、メディアでの露出を狙う上で非常に重要ですよね。プレスリリースが目に留まりやすくなるのはもちろんですが、新聞やテレビで素材をそのまま掲載・放送できるので、メディア側の利便性が高まります。

-夏目さんは、実際にプレスリリースからメディア取材につながった経験はありますか?

 あります。もっと言えば、浜松でプレスリリースを出すと想像以上にメディアに取り上げてもらえるという実感があります。東京と違って出回っているプレスリリースの数が少ないので、地元メディアも情報を欲しているのだと思います。

高 夏目さんのおっしゃる通り、PR TIMESで配信されるプレスリリースの6割以上が東京から発信されていて、他の地域はまだまだこれからといえます。いま取り組み始めれば、そのエリアでの情報発信の先駆者になれるかもしれませんね。

 

プレスリリースを通じてステークホルダーと対話する

-プレスリリースを効果的に活用するために適した発信のタイミングや頻度はありますか?

高 最初は気負い過ぎず、プレスリリースを出せそうなイベントがあれば挑戦してみよう、くらいの気持ちで構わないと思います。ただ、「期待するような大反響がなかった」と1度きりの配信で打ち切ってしまうのはもったいない。

プレスリリースは一方通行の情報提供ではなく、ステークホルダーとの対話ツールでもあります。いろいろな発信方法を試すなかで、「こういう切り口で伝えると関心を呼ぶのだな」というフィードバックを得ることに大きな価値があります。

それを基に情報発信の仕方、ひいては組織経営そのものを見直し、より良い方向へと導いていこうとする視座が、今後ますます必要になってくると思います。

 PR TIMESでは管理画面からPV数やUU数※※などが分かるので、そういった指標を参考に振り返っていただくのもいいと思います。そして、ぜひその結果を広報担当者だけでなく、プレスリリースに携わった関係者にも共有してください。小さな反応でも成果を見える形で確認できれば、情報発信に対する社内のモチベーションが向上し、さらなるアクションにつながっていくはずです。

ステークホルダー:利害関係者。株主・顧客・自社の従業員、行政や地域社会、メディアなど。
※※PV数:ページビュー数、UU数:ユニークユーザー数

株式会社 PR TIMES
高田育昌パートナービジネス開発室長

国内シェア首位、累計200万件超のプレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営するPR会社。企業や官公庁、地方自治体の広報・広聴活動を包括的に支援。また、プレスリリースのノウハウを発信する『PR TIMES MAGAZINE』など、広報にまつわる多角的なサービスやオウンドメディアを展開する。
● 東京都港区赤坂
関連サイト:PR TIMES(プレスリリース・ニュースリリース配信サービス)

ファンピッキング株式会社
夏目環代表取締役
PR TIME Sプレスリリースエバンジェリスト

湖西市出身。マーケティング会社での勤務を経て、2019年にPRコンサルティング事業「Funpicking」を創業。ベンチャー企業や地方自治体のPR戦略立案・SNSのコンサルティングをメインに、イベント企画や動画制作、企業同士のマッチングコーディネートなども行う。昨年、ファンピッキング株式会社設立。PR TIMES公認の初代プレスリリースエバンジェリスト。
● 浜松市中央区鍛治町
株式会社PR TIMESが公認する資格者で、プレスリリース未活用、もしくは改善余地のある企業や個人へプレスリリース発信文化を広める役割を担う。現在、全国で59人のプレスリリースエバンジェリストが活動。

 

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