【報告】「内視鏡手術ナビゲーション装置」製品化
浜松商工会議所浜松地域新産業創出会議浜松医工連携研究会(山内致雄代表幹事)の会員企業である㈱アメリオ(技術系ソフトウェア開発)、パルステック工業㈱(電子応用機器・装置の製造販売)が、耳鼻科咽喉科向け医療機器のトップメーカーである永島医科器械㈱と連携し「内視鏡手術ナビゲーション装置」を開発し、厚生労働省より医療機器の製造販売の承認を受け、5月10 日より販売を開始しました。
安全な内視鏡手術を行うためには、手術器具の体内位置を術者にリアルタイムで表示する手術ナビゲーターが必須であります。
しかし、従来の手術ナビゲーターは操作が煩雑で、患者の動きに追従するために患者にアンテナを装着する必要があるなど多くの問題がありました。
本製品は、白色光による3次元形状計測装置(撮像時間0.6秒)により、位置合わせが簡便で自動化され、患者の動き追従のためのアンテナを付けなくても患者の動きを柔軟に追従する世界で唯一の機能を持っています。これにより1秒以内に2mm未満の精度で手術器具の体内位置を示すことを実現し、従来の手術ナビゲーターの課題を解決することができました。
本製品の開発は、浜松医科大学の山本清二教授の「安全で確実な内視鏡手術を実現したい」という医療ニーズから、知的クラスター創成事業(第Ⅰ期)のテーマとして産学連携による研究開発を開始し、浜松医科大学と静岡大学の他、当研究会の会員企業である㈱アメリオの「優れた3次元形状処理・通信制御ソフト技術」とパルステック工業㈱の「3Dスキャナ製造技術」との連携により具体化し、国内の医療機器メーカーの永島医科器械㈱が製品化しました。これは、
中小企業の技術を日本発の医療機器にまとめ上げたモデルケース的な事例となり、MEDTEC Japan2012 イノベーション大賞「奨励賞」を受賞しました。
その他、同研究会会員であり、3D形状生成技術を有する㈱ゾディアック(技術系ソフトウェア開発)、制御機器製造・コントローラ技術を有する㈱エヌエスティ(各種制御・画像処理装置製造販売)の参画により、内視鏡で観察している患者体内の位置を示す、という世界初の機能を持つ実用機も試作段階にあります。
本製品並びに浜松医工連携研究会へのお問い合わせは、下記問合先までご連絡ください。
【問合先】
浜松医工連携研究会事務局
(浜松商工会議所工業振興課)
TEL:452-1116
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