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地域の技術力を新産業分野で生かす、新たなネットワークづくり(浜松地域新産業創出会議)

2025年01月01日

会員企業向けビジネスマッチングの精度向上のために

地域の技術力を新産業分野で生かすべく新たなネットワークづくりに取り組む

浜松の地域経済を支える製造業のサプライヤーが、今、取り組むべきこととは。今年度から「浜松地域新産業創出会議」をけん引する山本純夫会長に同会議が推し進める“新規取引先開拓支援”と“成長市場分野進出支援”について語ってもらった。

 

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- 浜松地域新産業創出会議(以下、創出会議)ではさまざまな支援事業を展開されていますが、中でも昨夏に東京ビッグサイトで行われた「テクノフロンティア2024」の部品加工技術展への出展では、参加した各社に何かしらの成果があったようですね。

会長 新規取引先の開拓は、創出会議としても非常に力を入れています。中でも展示会は企業の技術や魅力を来場者に直接発信することができる好機です。

今回初出展した「テクノフロンティア2024」は、技術者へのアプローチや新たなサプライヤー開拓に主眼が置かれた総合展示会です。今回、創出会議に参画している8社が出展しました。開催後、各社には新規取引先からの見積もり依頼や具体的な商談など新しい展開が続々と生まれています。

展示会の一番の魅力は、新しいお客さんとの接点がスムーズに生まれることです。全国から大勢の来場者が訪れ、普段会うことができない大企業や異業種の方との出会いも多い。多種多様なお客さんとの名刺交換ができるから、その後のアクションも起こしやすいですね。

- 確かに、大企業にこちらからアポを取ることは通常では難しいですが、展示会なら接点を持てる確率も高そうですね。

会長 はい。そのチャンスをモノ にするかどうかは、その後の各企業のチャレンジに懸かっています。今回出展した各企業さんには、そのチャンスを大いに活用してもらいたいと思います。

私自身もこれまでにさまざまな展示会に出展しました。出展のメリットの一つに“ お客さんから新たな課題を頂くこと” が挙げられます。ブースに来た来場者から「これが作れるのなら、こういうのはできないですか?」と聞かれることが多々あるのです。

これがきっかけで、自社製品を改良して新製品が誕生したり、自分たちでは思いもよらなかった業界のパーツを作ることになったりと、自社の成長の突破口になることが少なくありません。

このような経験をより多くの企 業にしてもらいたいと思います。テクノフロンティアには今後数年は出展を続けていくつもりなので、興味のある企業さんは今年の夏に向けて準備を始めていただければ、と思います。

 

浜松市との共同出展のメリット

- 今回テクノフロンティアには浜松市と共同で出展したとのこと。その理由を聞かせてください。

会長 出展企業と浜松市、双方にメリットが期待できたからです。出展企業においては、労力的に も資金的にも負担を最小限に抑えられました。

浜松市としては複数の企業と一緒に出展することで、「ものづくりの街・浜松」をアピールすることができたのではないかと思います。浜松市の場所や交通アクセスの良さ、本田宗一郎や山葉寅楠など歴史的な起業家を輩出した地であることをブース内に展示したことで、立ち寄りやすい雰囲気も出せました。

浜松市の歴史や魅力を会話のきっかけにして、企業と来場者とのコミュニケーションもスムーズに進んだようです。各企業が単独で出展するよりも、はるかに大きな相乗効果が生まれたと思います。

-「浜松市」という文字を見てブースを訪れた人も多かったのですね。

会長 企業名だけで展示会の集客をするのは、大企業でもない限りなかなか難しいですからね。浜松市という看板を掲げて出展できたことで、来場者の印象にも強く残ったのではないかと思います。

 

自社の技術力を大きな フィールドで試すチャンス

- さて、大手重工メーカーとのマッチング事業も今年度スタートした取り組みですね。

会長 三菱重工業および関連会社との取引構築を目指し、三菱重工業のOB2名と販路開拓アドバイザー契約を結びました。彼らと共にこれまで3回ほど三菱重工業の関連会社を訪問し、会員企業を紹介。また、先方からの「こういう部品を作れますか?」というオーダーを持ち帰り、対応可能な企業との橋渡しを行っています。

- 浜松にはこれまで自動車を中心とした輸送用機器の部品製造をしてきた企業が多いですが、新たなチャンスを得るきっかけになりますね。

会長 個々の企業が単独で大企業 やその関連会社に新規開拓の営業をしてもなかなか相手にしてもらえませんが、創出会議が窓口となることで大企業(三菱重工業)と のパイプが生まれます。三菱さんは宇宙航空産業に力を入れていますので、オーダーされる分野も宇宙航空関連が多いと予想されます。

請ける企業側としては、自社が持っている技術をどう生かせるか、自社製品の分析と改良は必要かもしれません。

 

成長分野進出は待ったなし!その実現を図るために

- なるほど。新分野への進出は、これまでの技術にプラスアルファの進化が必要ですね。新たな仕事に挑戦していくために、地元企業に必要なものは何でしょうか。

会長 輸送用機器製造を中心に成 長してきた浜松の産業ですが、現在はEVシフトが進み100 年に一度の変革期を迎えています。各社が自社の強みをもう一度見直して、輸送用機器以外の新分野への準備を進める必要があると思います。

また、浜松の企業に共通していえる課題は“横のつながりの薄さ”かもしれません。鯖江市や名古屋市、大田区などは企業間の連携、ネットワークが強いです。

例えば大田区は、大きな仕事が来ると、地元各社の得意分野を生かして素早く仕事を分担し、高品質な部品を短期間で完成させる仕組みができています。

浜松も個々の技術力は非常に高いですから、このようなネットワークを地元で構築すれば、大企業からの高精度の要求にも対応できるはずです。

- そのような体制が取れれば、大手重工メーカーなどからの大きな案件にも速やかに対応できそうですね。

会長 そうですね。各社の協力体制が取れるよう、創出会議としても尽力していきます。そしてもちろん、各企業が新たな技術を開発することは必要不可欠。ぜひこの機会をチャンスと捉えて、新技術の開発に取り組んでいただきたいです。

自社が持っている技術をどう転用するかは、技術者としての腕の見せどころです。創出会議は、そのようにして生まれた技術をどんどんPRしていきます。

- 最後に、今年または2025年度に創出会議が予定していること、またこの先やっていきたいことについてお聞かせください。

会長 今年度始めた活動をさらに進め、引き続き“ 新規取引先の開拓” と“ 成長市場分野への進出”を加速させていきます。各研究会から生まれた協同組合やプロジェクトとの連携も図り、浜松地域の産業を多角的に盛り上げていきたいですね。

このような取り組みを進めていきますので、関心のある会員企業の皆さまには、ぜひ創出会議に参加していただければと思います。

浜松地域新産業創出会議会長

株式会社 テクニカルサポート 山本純夫代表取締役会長

1979 年、株式会社テクニカルサポートを創業。製造工程・品質保証工程における設備の設計製造、検査計測装置の設計製造、受託試験によるモーター開発のサポートなどを行う。近年は宇宙航空産業にも積極的に参入し、JAXAおよび関連企業との事業も進めている。2018年~現在、浜松地域新産業創出会議内「宇宙航空技術利活用研究会」代表幹事。2024 年4月から浜松地域新産業創出会議の会長を務める。

●浜松市浜名区細江町中川

関連サイト:浜松地域新産業創出会議

 

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