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生成AIシステムの開発で業界のゲームチェンジャーへ!(株)スクロール

2024年12月01日

アパレル業界の課題解決に一役。従来の働き方を根底から変える生成AIを開発

生成AIがもたらす劇的な効率化!「Lightchain」が変えるアパレルの未来

シーズンごとに商品開発を求められるアパレル業界は、華やかな印象とは裏腹に、自動化が難しい労働集約型の産業。 業務改善を目指し開発されたのが、アパレルの商品企画や開発に特化した生成AIシステム「Lightchain(ライトチェーン)」だ。
誰でも直感的に操作でき、数クリックでデザイン案が完成。業界のゲームチェンジャーとなる開発の舞台裏を探った。

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カタログ通販大手のスクロールは、通販売上高の多くを自主企画・自主生産商品が占める。社内にはデザイナーや、型紙を作るパタンナー、企画担当など20 人以上が在籍。トレンドを見極めながら服を企画し、生地サンプルの手配、モデル撮影など仕事量も膨大で、常に時間に追われていた。

「(仮に)販売するのは3アイテムでも、検討のために20 のサンプルを作成するのが一般的で、無駄も多く、スタッフの負担も大きい。この状況をどうにか改善できないかと頭を悩ませていました」 と語るスクロールのグループオフィサー音羽裕之氏。

目を付けたのは、当時話題になっていた生成AI。他社でもファッションショー向けのデザインツールなどはあったが、スクロールは「業務改善」に特化し、企画から撮影までをサポートするツールの開発を決めた。

2023 年10 月に中国有数のベンチャー企業と提携し、わずか6 カ月後の2024 年2月にローンチ。

アパレル特化型ソリューションサービスとして外販提供し、今もブラッシュアップや機能追加を続けている。「生成AI は開発スピード が非常に速く、次々と競合が現れます。1番手として走ることで市場を独占できるのです」と音羽氏。


▲Lightchainを活用した時短・高品位なカタログ
左が人間のモデルを撮影したカタログ。右はLightchainによる生成モデルを使ったカタログで、違いがほとんど分からない高クオリティーを実現。両者の比較テストを実施し、生成AIの精度評価を進める

 

わずか数秒でデザイン提案撮影コストを90%削減!

Lightchainの特徴は、テキストによる指示は必要なく、誰でも直感的に使えること。例えば、スカートの丈を変えたい場合、画像をアップロードし、変更したい範囲をマウスで選択。システムから「身丈」「ショート丈」と選べば、数秒でAIが新たなデザイン案を生成してくれる。丈の長さだけでなく、色や生地の質感、柄、ボタンやレースといったディテールの変更や追加もできる。

また、ブランドのテイストを学習させ、トレンドを取り入れたデザイン案を生成することも可能だ。これまで数日かかっていたデザインの企画出しが、ゼロコストで50 案でも100 案でも作れるようになった。着用画像は服のバリエーションだけでなく、モデルの顔や年齢も変更でき、撮影コストを90%以上も削減することに成功した。

「企画から撮影まで2~3週間かけていた業務が、Lightchain なら半日で終わります。生成AIはあくまでアシスタントデザイナーであり、最終チェックは人間の仕事。生まれた時間は販売促進の企画やアイデアを考えるために使ってもらいたい」と音羽氏は語る。


▲服だけの写真から着用画像を生成


▲Lightchain活用による業務合理化例

 

進化し続けるLightchain 業務効率で競争力を強化

販売は好調で、ODM※や小売り、デザイナー事務所など、すでに80 社以上と契約。問い合わせも多く、当初の計画の2倍に届きそうだという。アシスタントデザイナーを雇うよりも安価な利用料金であることに加え、業務効率を大きく向上できる点が経営者からの支持を集めている。今後は、服の生産に欠かせない平絵や仕様書の自動化に向け、システムを強化させたいと意気込む。

「20 年ほど前、インターネットで服は売れないと言われていましたが、今ではネットでの購入が主流。私たちはアパレル業界のゲームチェンジャーを目指しています。現在、中国のアパレルブランドが低価格で市場を席巻し、デザインはそこそこでも安ければいいという消費者が増えています。Light chainで競争力を高め、日本なら ではの高品質を生かしたものづくりまでサポートしていきたいと考えています」。Lightchain が業界のスタンダードとなる日も、そう遠くないはずだ。

※ODM(Original Design Manufacturing):委託者のブランドで商品設計から生産まで一貫して行う形態(またはその企業)

 

 

株式会社スクロール 音羽裕之 グループオフィサー

1939年創業。レディースアパレルや雑貨、健康食品などのカタログ通販、インターネット通販を展開し、通信販売企業のパイオニア として業界の発展に寄与。近年では、グループとして長年にわたり積み上げてきた通信販売に関するあらゆる知見やノウハウを通じた多彩なソリューションサービスを提供している。音羽氏が取締役社長を務める連結 子会社「スクロールインターナショナル」は、Lightchainの開発・販売やOEM生産機能を拡充するサービスを通じてアパレルソリューションを提案している。

●浜松市中央区佐藤

関連サイト:アパレル生成AIシステムLightchain

 

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