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海外視察レポートアメリカ西海岸最新小売業態を視察

2016年12月01日

 浜松商工会議所商業部会は、日本小売業協会の主催する「アメリカ最新小売業態視察ツアー」に参加しました。
 同研修会は、アメリカにおける最新小売業態視察と次世代を担う若手経営者・幹部を中心にした交流を目的に開催したものです。
 今回は、アメリカのロサンゼルス・サンフランシスコの2箇所を5泊7日の日程で訪問しました。今回はその概要をレポートします。
(報告:浜松商工会議所 松山君洋)

■アメリカ経済・アメリカ小売業界の動向について
 2015年以降のアメリカ経済は成長路線であり、年間3%以上の成長と予測されている。特に原油の値下がりが家計費節約のプラスの要因ともされているほか、失業率も2008年以降で最低水準にある。
一方、小売業界においては、ネットショッピングの影響が年々大きくなっ
ており、2014年には小売業界全体の6.6%を占め、数年後には10%を超えると予測されている。中でも存在感を持つのはAmazonで、即日配達やマーケットプレイスと呼ばれるAmazon以外の外部の販売者商品配達も請け負う。いわば、日本と同様に小売業はネット対実店舗という構造ができつつある。

■日本でもエコバッグが密かなブーム「トレーダー・ジョーズ」
 ロサンゼルスを本拠に1958年に設立された「トレーダー・ジョーズ」は全米で現在約300店舗を出店している。エコバッグをハリウッドセレブが持っていたことで、日本でも密かにブームになった。グルメフード、オーガニックフード、ベジタリアンフードを中心にユニークな商品が取りそろえられている。特にプライベートブランドのワインは、2ドル程度の安価で人気がある。 車社会のアメリカでは駐車場の有無で売り上げが大きく左右されるという。視察店舗では、駐車場を拡張させたことで売り上げが上がった実績があり、店舗によっては駐車場拡張により1割上がった店舗もあるとのこと。また、日本の小売業界では人手不足感が出つつあるが、現在、人手が足りないなどの人材不足に関しての懸念はなく、毎月多くの履歴書が集まるという。

■アウトドアファン必見の「バス・プロ・アウトドア・ワールド」
 1970年代に創業された「バス・プロ・アウトドア・ワールド」は、中に入ると大人でもわくわくさせる店舗設計になっている。販売している多くの商品がプライベートブランドで、圧巻の品ぞろえにくわえて、日本の3〜4割程度安価で商品が手に入る。元々は釣り用具から始まった同社だが、ハンティングといったアウトドア用品も扱っており、最も人だかりができていたのが銃を取り扱うコーナーだった。

■健康のトレンドをつかむ「スプラウツファーマーズマーケット」
 2002年に創業したスプラウツファーマーズマーケットは、「オーガ
ニック」「ナチュラル」といった健康のトレンドをつかみ成長を図っている代表的な企業。通常は店舗に入ってすぐに生鮮食品売り場があるが、まず目に飛び込んでくるのは豊富に取りそろえられたサプリメントや健康食品コーナー。生鮮食品は真ん中にレイアウトされており、珍しい店舗設計となっている。
 アメリカの多くのスーパーで行っているナッツ類の量り売りだが、チアシードといった日本でいわれている「スーパーフード」の量り売りを行っているのはこの店舗しかなかった。

■日系人が経営「バークリーボウル」
 1977年にボウリング場の跡地を利用したためにつけられた「バークリーボウル」。学園都市のバークリーに2箇所あり、鮮度の高さを売りにしている。
 野菜コーナーのボリューム・品ぞろえ・鮮度が高く、日本からの輸入野菜もあった。日系人が経営していることもあり、日本食の品ぞろえも豊富。普段見られないバックヤード・事務所も見学。バックヤードは日本と比較するにあたって遜色はないものの、事務所は、上から店舗全体を見ることができ、店の状況によってはヘルプにすぐに駆け付けられるようにしているとのこと。小売業の事務スペースは至って狭いと思われがちだが、プライベートスペースとして空間を大切にしている。

〜最後に〜 大量消費社会の中にも多様化が進む
 今回、アメリカにおける、いわゆる勢いのある小売業界を中心に視察を行い、とても有意義な視察会となりました。
 大量消費で成長を遂げてきたアメリカですが、日本人では考えられない量の品物を大きなカートに入れている姿を見たとき、その消費原動力はいまだ健在だと感じました。一方、顧客の多様化により「オーガニック」「ナチュラル」といったこだわり商品の需要も増えていることも実感しました。
 今回の視察では会員企業より派遣された13名にご参加いただき、それぞれ気づきを持ち帰っていただくことができました。

問 浜松商工会議所 商業観光課
  ☎053・452・1114
shogyo@hamamatsu-cci.or.jp

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