BCP相談経営支援・サービス

災害対策の必要性

近年の気候変動等の影響により、台風・豪雨による被害が浜松でも発生しています。また、南海トラフ地震の発生も予測され各企業での備えも重要です。

現在直面している課題として、新型コロナウイルス感染症の蔓延があり、いつ自社の社員が感染してもおかしくない状況です。しかしながら、感染症を災害リスクとして想定している企業は少なく、対策が後手となっています。

被害を最小限に抑えるためには、事業を止めないで継続するための計画(BCP)が必要です。

BCPとは

BCP(Business Continuity Plan)とは「事業を止めないで継続するための計画」です。企業が自然災害、巨大地震・津波をはじめとする大災害などの緊急事態に遭遇した際、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などをあらかじめ取り決めておく計画のことです。

BCPを策定することで、企業の危機対応力が高まり、想定外のリスクや、さまざまな経営課題への対応力向上が期待できます。例えば、「経営者の代替戦略」は「事業承継」につながり、「BCP特別保証の予約取得」は「取引先からの信用力向上」につながります。

BCPのメリット

BCP策定意向企業

浜松商工会議所では、BCPの策定状況についてアンケート調査を2回にわけて実施。
第1回調査と比較して、第2回調査ではBCPを策定する事業者の割合が増え、中小・小規模事業者の意識が高まる結果となりました。

BCP策定状況

  第2回調査(2023年6月) 第1回調査(2021年4~7月)
策定済み(感染症対策含む) 14.3% 8.1%
策定済み(感染症対策含まない) 10.9% 5.1%
策定中 9.9% 8.4%
今後、策定する予定 24.2% 13.2%
策定予定はない 19.7% 29.2%
BCPを知らなかった 21% 36%
事業継続計画(BCP)の策定状況
Point!
  • 第1回調査と比較して、第2回調査ではBCPを策定する事業者の割合が増加している。
  • 「策定済み(感染症対策含む)」は14.3%、「策定済み(感染症対策含まない)」(10.9%)も含めた広義の『策定済み』は25.2%となった。

BCP策定状況(従業員規模別)

BCP策定状況(従業員規模別)

Point!
  • 従業員規模が大きい事業所ほど「策定済み」の割合が高い。
  • 従業員規模が小さい事業所では、そもそもBCP自体の認知が低い。

BCP策定に向けて

※詳細については、当所までご相談ください。

  • 01

    自社の取組状況の確認

    まずはチェックシートを活用し、自社の状況を把握することから始めましょう。取組状況チェックシートは以下からダウンロードしてください。

    PDFダウンロード

    自社の取組状況の確認

  • 02

    ハザードマップの活用

    自社の立地する拠点や地域において、どのような自然災害があるのか把握しましょう。下記ホームページ・アプリにて、域内の自然災害を"見える化"したハザードマップを公開しています。

    浜松市防災マップ静岡県総合防災アプリ
    「静岡県防災」

    ハザードマップの活用

  • 03

    事業継続力強化計画の認定

    経営資源に乏しい中小企業・小規模事業者の場合、ゼロベースからのBCP策定は難しいのが現状です。将来のBCP策定を見据えた第一歩として、まずは「事業継続力強化計画」の認定を目指しましょう。

    中小企業庁:
    事業継続力強化計画

    事業継続力強化計画の認定

  • 事業継続力強化計画とは

    中小企業が行う防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する制度。認定を受けた中小企業は、税制優遇や補助金の加点などの支援策を活用できます。

    認定企業への支援策

    1. (1)日本政策金融公庫による低利融資(設備投資資金)
    2. (2)信用保証枠の追加
    3. (3)防災・減災設備への税制措置
      ※災害時に役立つ設備(自家発電設備、制震・免振ラック、止水板等)を導入した場合に特別償却(20%)が可能
    4. (4)補助金の優遇措置
    5. (5)認定ロゴマークの使用
    6. (6)本制度と連携いただける企業・団体からの支援
  • 04

    BCPの策定

    BCPの策定は、フォーマットが公開されている「静岡県事業継続計画モデルプラン(入門編)」の活用がスムーズです。また、策定については、専門家を活用し進めていくのも効果的です。

    静岡県事業継続計画
    モデルプラン
    中小企業119

    BCPの策定

BCP策定事例

予測不能な自然災害や感染症。
非常時における事業停止・縮小への対策として、「事業継続力強化計画」を策定し、はじめの一歩を踏み出した事業者を紹介いたします。

つちや餅店
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つちや餅店
つちや餅店
浜松市中央区泉2丁目4-30
TEL 053-474-9592

1981年創業。投げ餅、団子、大福、饅頭、季節の餅菓子の製造販売とOEM製造・卸売りを行う。2019年に改装し、団子を焼く様子を外から見えるようにすると、次第に行列店に。2020年7月わらび餅ドリンク発売。2021年7月ネットショップ開始予定。

これがわが社のBCP対策!

2018年の台風による大停電の際、うちは食品を扱っているので非常用電源の重要性を再認識。緊急時の対応をしっかりと可視化するためにBCPを作成しました。中小企業庁のサイトにサンプルが用意されているのでそれほど難しくなく、店の状況の把握と、足りない部分をどうするかを検討し、実施策にまとめました。

対策の柱は、①従業員・取引先の緊急時連絡網をつくる ②材料の保管倉庫が使えなくなったときの協力会社を決める ③発電機の準備の3点です。物が落ちないようにするなどの地震対策はしていましたが、被災時に経営を継続させるための対応策は深く考えていなかったので、いいきっかけになりました。また、従業員にも店の取り組みを認知してもらうことができました。

これがわが社のBCP対策!

株式会社ビマックス
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株式会社ビマックス
株式会社ビマックス
浜松市中央区雄踏町山崎3907
TEL 053-592-3920

2002年創業、2006年法人設立。溶接・金属加工を主とし、船外機輸出用コンテナ、トラック用アルミボックス、自動車用部品などを製造。自動化しにくい仕事を積極的に受注し、高付加価値の製品を少量多品種生産することで、取引先の業種の幅を広げている。20代、30代の社員が多く活気あふれる会社。

これがわが社のBCP対策!

BCPの作成は、「ものづくり補助金」の申請がきっかけでした。溶接加工に必要な長尺鋼材を切断する機械を導入するためです。BCPの作成は初めてではなく、東日本大震災の後、取引先メーカーから指導がありました。 屋上に避難所をつくるなど規模が大きかったため断念しましたが、その際、地震で機械が倒れないよう耐震装置を取り付けたり、予備の機械を準備したり、従業員の連絡網をつくったりすることができました。 今回は新たに、1.社員・家族を含めたグループラインの作成 2.予備電源の準備 2.火災保険に加入の3つを計画。特に3.は、土地柄、浸水被害が想定され、高額な機械もあるため火災保険の水災補償も必要と感じました。設備投資をきっかけに今一度災害リスクを検討することができて良かったです。

これがわが社のBCP対策!

株式会社髙田
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株式会社髙田
株式会社髙田
浜松市中央区北寺島町103-2
TEL 053-456-2266

1966年創業。従業員6人。プラスチックフィルムへのグラビア印刷業を営む。ペーパータオルの外装や野菜・加工食品の包装材への印刷が主。昨年度「ガゼットチューブ形状素材への両面印刷技術の確立」をテーマに、静岡県より経営革新計画の認定を受ける。

これがわが社のBCP対策!

印刷業を営んでおり、生産性向上に向け、「ものづくり補助金」の申請を商工会議所に相談。同補助金の審査において加点となる「事業継続力強化計画」の作成を決めました。しかし、自然災害による事業への影響など今まで意識していなかったので、何を基準に計画を立てればよいか分からず、「BCP個別相談会」に参加。ハザードマップから弊社にとってリスクの大きい自然災害は地震であると分かり、主に地震の影響や対策を軸として事業継続力強化計画を作成し、無事に認定を受けました。
これが災害対策を考えるきっかけとなり、すぐに社員の連絡網を作成。さらに一番重要な人命の安全確保において、工場内の片付けが最優先課題であることを再認識しました。避難経路を確保できた上、整理整頓が日常になり、作業効率が良くなるという相乗効果もありました。

これがわが社のBCP対策!

お家カフェ きっさこ
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お家カフェ きっさこ
お家カフェ きっさこ
浜松市中央区和地山2-21-16
TEL 070-5035-0059

2019年開業。代表の有海雅子さんが1人で営業。栄養士・調理師・社会福祉士の資格を持ち、体にやさしい食事メニューを提供。オーガニックやフェアトレードの豆を使った自家焙煎コーヒーは豆の販売もする。毎月2回認知症カフェを開催。営業日は金・土曜日。

これがわが社のBCP対策!

はままつ起業家カフェ利用のほか、商工会議所のセミナー・講演会にもよく参加していました。事業継続力強化計画策定ワークショップに参加した理由は、実は、「事業継続力強化計画」を「事業計画」と勘違いしたから。自然災害などの被害を最小限に抑えるための計画ということは参加してから知りました。それでも3回参加して講師からアドバイスを頂きながら計画を作成し、無事に認定を受けることができました。
店舗は新耐震基準を満たしているため、対策としては水や食料品のストックと損害保険の見直しなど。被災時には避難すればいいとだけ考えていたので、自然災害の想定や影響を考えるきっかけになったことは良かったです。また、小型のコーヒー豆焙煎機やコーヒーミルを購入するための「小規模企業経営力向上事業費補助金」の申請にあたり、この「事業継続力強化計画」の認定で加点をもらえたことも驚きました。

これがわが社のBCP対策!

手打ち蕎麦 naru
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手打ち蕎麦 naru
手打ち蕎麦 naru
浜松市中央区板屋町102-12 2階
TEL 053-453-7707

2008年開業。従業員4人。中心市街地にて手打ちそば店を営む。厳選された丸抜きのそばの実を丁寧に自家製粉し、代表の石田高齢さんが店頭の打ち場で手打ち。作り置きをしないのがモットーだ。そばだけでなく、旬の一品、日本酒、焼酎、ワイン、甘味なども提供。

これがわが社のBCP対策!

「ものづくり補助金」申請の相談に商工会議所を訪問。その際に、補助金の加点となる「事業継続力強化計画」の作成を提案され、実行しました。以前から災害を想定して、避難経路の確保やお客さま第一の誘導、落下物による事故予防などは頭に入っていましたが、話を聞くうちに「全てを見直す必要がある」と認識。正直、ハザードマップを念入りに見たのも初めてでしたが、当店にとってリスクが大きい自然災害は地震で、広範囲に影響が及ぶことが判明。地震への対策を中心に計画を作成し、認定を受けることができました。

従業員の多能工化などやるべき対策を可視化することで、改めて災害に向き合うきっかけとなったことが大きいです。加えて、近隣店舗とどれだけ連携が取れるかも重要だと気付きました。対策を講じた店が町内に何店舗もあれば心強い。現状を知るためにも、こういった取り組みに耳を傾けることが大切だと思います。

これがわが社のBCP対策!

株式会社吉田
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株式会社吉田
株式会社吉田
浜松市中央区卸本町1
TEL 053-441-3261

1947年浜松市栄町に吉田商会を設立、機械工具の販売を開始。1971年業務拡張により現在の南区卸本町に移転。1977年株式会社吉田となる。2018年吉田良治が3代目社長に就任。自動車生産に関わる設備・機械を総合的に提案販売し、多様な生産現場に対応する。

これがわが社のBCP対策!

大手自動車メーカーへ工作機械および工作用周辺機器の卸販売を行っています。会社は浜松卸商団地にあり、海が近いことから、水害の危険性は十分に感じていました。BCPの策定をなかなか進められずにいたとき、商工会議所の「事業継続力強化計画策定ワークショップ」がきっかけとなり策定に着手。内容が難しかったため、講師に丁寧に教えていただきました。以前から太陽光発電システム、安否確認システムの導入や、データを電子化してクラウド上のサーバーに保管するなどの対策はしており、現状を把握できたこと。また、今後の計画として、代替拠点での稼働を考えることができたのが良かった点です。計画に基づき、役員・管理職の意識改革も進めたいと思っています。

これがわが社のBCP対策!

浜名湖観光開発株式会社
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浜名湖観光開発株式会社
浜名湖観光開発株式会社
湖西市白須賀5739
TEL 053-579-0511

株主会員制クラブとして1961年に開場。3コースを有するゴルフ場の運営と、風力・太陽光発電事業を営む。数々の大会を開催し、キャディの育成・教育、プロを目指す研修生の受け入れも行っている。写真左から藤田正治社長、キャディ早野真唯さん、BCP策定担当の井川日出男さん。

これがわが社のBCP対策!

当社が運営するゴルフ場(浜名湖カントリークラブ)は海抜70メートルほどで、津波の直接的な影響はないと考えますが、2018年の台風による停電で4日間営業できなかった経験があります。能登半島地震の被害状況を目の当たりにして、改めて人命の安全確保を第一にBCPの策定を進めました。また当社の理念である地域貢献の観点から、ゴルフ場を地域の避難場所として提供できるよう設備を整えることも重要と考えます。現在、水道は井戸水を、電気は風力・太陽光発電による自家発電を利用しており、災害による停電時の対応方法を模索中です。レジャー産業でのBCP策定はモデルケースが少なく、作成に苦慮する部分もありますが、同業者の課題や情報を共有し、難易度の高い計画にも取り組んでいきます。

これがわが社のBCP対策!

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浜松商工会議所経営支援課
浜松市中央区東伊場2-7-1
TEL:053-452-1115 お問合せ
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