2.広報と広告の違い

企業は、自身の事業活動の円滑化や社会との関係の維持・改善のために、周囲の関係先との間で様々なコミュニケーション活動を行う。その活動全体をコーポレート・コミュニケーションという。その方法として「広報(PR)」と「広告」があり、活動成果を上げるためには、この2つを戦略的に組み合わせて実行することが必要とされる。

広報 狭義の意味での広報、例えばパブリシティは、企業がマスコミに向けて情報を発信し、それがマスコミの報道を通じて社会に情報伝達されるもの。情報の内容は、新製品ニュースから新規投資や人事異動などの企業ニュースまでいろいろあるが、いずれもその情報を報道するか否かはマスコミ(報道機関)の手に委ねられるため、掲載(放送)時期や対象層を特定することは難しい。しかし、報道されれば、そのインパクトは極めて大きい。なぜならば、掲載(放送)されるということは、その情報を社会に伝達することの価値と必要性がマスコミに認められたということ。言い換えると、一方的な企業の自己アピールでなく、マスコミという客観的立場の第3者にも評価された情報となる。

広告 新聞や雑誌のスペース、ラジオやテレビの時間を買って、その中で企業のメッセージ(新製品情報を含む)を伝えていくのが広告である。看板や交通広告(駅貼りポスター、電車の車内吊りなど)もあるが、一般的なのは新聞、雑誌、ラジオ、テレビの4媒体で行うマス広告。広告の最大の特徴は、媒体と時間を選定することにより、必要なターゲット層に対して、必要な時期に必要なメッセージを伝達できる点にある。一方、そのためのコスト(広告掲載料)は有力媒体ほど高くなる。

広報と広告の有機的結合 手法としての「広告」は、基本的に自社の商品の販売を促進するためのマーケティング・コミュニケーション機能として発達してきた。しかし最近では、企業に対する理解獲得を目的とするいわいる「企業広告」も少なくない。他方、企業各社が戦略的なコミュニケーション活動を目指す中で、パブリシティに対しても、情報露出の時期や対象層設定をコントロールしたいというニーズが高まってきた。その結果注目されているのが、タイアップ・パブリシティ(有料パブリシティ)という手法である。また、発信する情報の内容や展開の仕方も、広告とパブリシティの特性を考えて両社を組み合わせる、あるいは使い分ける、戦略的なコミュニケーション活動が目立つようになっている。言ってみれば、広報と広告とがコーポレート・コミュニケーションの観点から有機的な統合を深めている。


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