1.広報とは何か

「広報」は英語のPublic Relations(パブリック・リレーションズ)の略語である「PR」とも同じ意味で使われるが、パブリック(公衆)=社会とのよい関係づくりのこと。社会というのでは、漠然としているが、企業との利害関係の度合いによって、対象を細分化することで、より戦略化した広報活動が可能になる。

多くの企業が経営方針として「顧客第1主義」を掲げているが、これを広報活動の視点で捉えると、最重要対象を「顧客」として設定することを意味している。この「顧客」には、消費者や取引先などが含まれる。企業それぞれの経営の考え方や社会との取り組み姿勢などによって広報活動の対象の捉え方は異なるが、一般的には次のように広報対象を区分、設定している。

  1. マスコミ(一般紙、専門紙、テレビ、雑誌など)=読者、視聴者を背後に抱えるこの層は、マスコミ報道を経由して世論を見方にすると言う意味で、極めて戦略性の高い対象となる。
  2. 社員=事業経営共同体のメンバーで、最も重視される広報対象。これに、社員の家族、退職者などを加えて設定する場合もあるほか、企業グループを形成している場合は、グループ企業の全社員を対象とする。この層に対する広報活動は、社内報の発行や社内イベントの開催など。
  3. 株主=個人株主も含まれるが、一般的には機関投資家を含む金融関係者が中心となる。この層に対する広報活動は、財務内容をはじめとする経営活動全般にわたる情報公開が基本になる。この層に対する広報活動は、機関投資家説明会、決算発表会など。
  4. 取引先関係者=多種多様な取引先は、円滑な事業経営を支えるパートナーであり、企業関係者とともに個人が含まれる。この層に対する広報活動は、会社案内書や会社施設見学会、社内報配布など。
  5. 学生(教育関係者を含む)=優秀な人材の確保は事業経営の必須条件となってり、求人広報は重要な位置を占めている。この層に対する広報活動は、会社説明会、会社見学会、産学共同事業、社員による後輩人脈づくりなど。

このほか、6.本社・工場・事務所周辺の地域住民、7.業界団体など、8.消費者団体など、9.オピニオンリーダー、10.行政関係者、11.海外関係者などがある。2.から11.までの層は、いずれも1.のメディアを介して、行われる比重はかなり高い。

広報の目的は、企業が自身の事業活動を円滑・有利にするために必要な「環境づくり」といえる。その中にはもちろん、商品の販売促進も含まれるが、それ以上に大きい役割は、事業の意義・理念に対する理解・支持の獲得や事業の社会的合意形成など、経営的課題を解決するための、マネジメント機能としてのコミュニケーション活動である。


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