| ホーム>オンラインNEWing>平成21年3月11日号 |
東海地震に備える! Vol.12 |
異国で地震に遭遇したら |
|
|
| 私が勤めている富士常葉大学には中国、韓国、インドネシア、バングラデッシュ等の国々から学びに来ている留学生が多く在学している。日本に留学する学生は、21世紀初頭までに10万人の留学生受入れを目指す「留学生受入れ10万人計画」に基づいて増加を続け、2005年にはその数は約12万人になり、過去最高となっている。大学院修士論文の一部としてであるが、留学生の防災についての現状を調べた結果から一部を紹介してみたい。 留学生に対して地震時にはどこに避難するかを聞いたのが(図1)である。すると最寄りの避難所を選択した人が半分以上で最も多い。ところが避難場所はどこにあるのかを聞くとなんと半数以上が避難場所がどこか知らないでのある。次に地震に対してどんな備えをしているかを聞いたのが(図2)である。この問いに対して最も多いのが「何もしていない」の31%であった。そこで「何もしていない」人々になぜかを聞いたのが(図3)である。すると「なにをすればよいのかわからない」が60%となっている。 これらの問と答えから出てくるものは、「なにかあれば避難場所に行くことは分かっているが、それが何所にあるのかは知らず、地震の備えといわれてもなにをすればよいか分かっていない」姿である。 (図1) 大地震が起きたらどこに避難するか ![]() (図2) 大地震に対する備えは ![]() (図3) 何もしていない理由はなぜか ![]() 次に、大地震が起きたらだれを頼りにするかを聞いたのが(図4)である。すると複数回答であるが、学校とするのが最も多く57%であり、以下友人、大使館、日本の行政、知人・友人と続く。すなわち留学生の場合には生活に最も密接に関わりを持つ大学が最も頼りにされていることが分かる。 (図4) 大地震時にだれを頼りにするか ![]() それでは最も頼りにされている大学は留学生に対して特別に配慮した防災対策を考慮しているのであろうか。実際には特に留学生のために準備していることはほとんどないのが現状である。防災に関する情報や避難場所などは市役所の窓口でもらっているであろうと考え、また災害が発生した時に様々な情報を留学生に対して伝える情報ネットワークは持っていない。すなわち行政任せなのである。 大学の留学生と企業に働く日系人や外国人の場合とは違いがあろうが、両者の防災に対する現状の傾向はほぼ同様ではないかと考える。言葉が必ずしも十分でなく、東海地震といわれても聞いたことがない人々にとって、何か起きた時に頼りにされるのは、大学であり、また企業であるに違いない。そのことを十分に考慮に入れて企業の防災対策も進める必要があろうと考える。 富士常葉大学環境防災学部 小川雄二郎 |