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ホームオンラインNEWing平成20年5月1・11日号

東海地震に備える! Vol.2

中小企業へのBCP普及のための静岡県での取り組み



■国の取り組み
 2005年7月に改定された防災基本計画において、企業防災の促進という項目で『企業は,災害時の企業の果たす役割(生命の安全確保,二次災害の防止,事業の継続,地域貢献・地域との共生)を十分に認識し,各企業において災害時に重要業務を継続するための事業継続計画(BCP)を策定するよう努めるとともに,・・・(中略)・・・防災活動の推進に努めるものとする。』との文言が盛り込まれた。また前後して、国内でのBCP普及に向け、内閣府による民間企業向けBCPガイドライン「事業継続ガイドライン(第一版)」、経済産業省による情報産業向けガイドライン「事業継続計画策定ガイドライン」などが公表されている。
 さらに、2006年2月には中小企業庁が、「中小企業BCP策定運用指針」を策定、インターネット上で公開し、中小企業におけるBCP策定・運用の普及・促進を図っている。
■静岡県BCPモデルプランの作成と公開
 こうした背景を踏まえ、東海地震の発生が想定されている静岡県では、中小企業庁の指針に基づき、2006年3月に製造業の中小事業所を対象とした県独自の「静岡県BCPモデルプラン(第一版)」を、また、担当者がなるべく時間をかけずに事業継続計画の作成に取り組めるよう支援するツールとして、「事業継続計画(簡略編)作成手引き」を合わせて公開した。また翌年3月には、上記簡略編の商業版を作成し公開した。
 そうした先進的な取り組みを行っている静岡県においても、中小企業へのBCPの普及は進んでいないのが現状である。
■必要となる指導者人材育成と普及のための制度・ 仕組みの整備
 BCPの普及にあたっては、策定支援ツール等の提供に加え、日頃から中小企業の経営を支援している商工会議所・商工会、中小企業団体中央会や行政の商工担当部局などの公的機関や金融機関、経営コンサルタント等において経営指導・経営相談などに従事している担当者が、BCPに関する知識を身に付け、日常業務の中で合わせてBCP導入支援を行っていくのが最も効果的かつ効率的であると考えられる。そのためには、そうした指導的人材の育成やそうした方々がBCP普及に取り組みやすい制度・仕組みの整備が必要となる。
 例えば、小規模零細企業では、各社個別に導入を進めて行くのはコストや時間等の面での負担が大きく、組合等を活用した集団研修や勉強会など複数社が協力して導入を進めるのが効率的であり、そうした場への専門家やアドバイザー派遣制度、相談窓口の設置、経済的支援などの制度・仕組みの整備である。
■静岡県BCP普及研究会の設立
 こうした背景から、県内の中小企業にBCPを普及させ、東海地震等の大規模災害に見舞われても企業の存続と雇用の確保、地域経済の活力を維持するとともに、平常時においても個々の企業及びサプライチェーン全体としての信頼性を高め企業価値の向上を図っていくために、関係する機関が集まり、情報を共有すると共に、互いに連携し効果的な普及施策を展開していくために、静岡県では、県市と商工団体、地元企業、大学、NPO等が参加した「静岡県BCP普及研究会」を立ち上げ、4月18日(金)にその設立総会を開催した。
 次回は上記の取り組みの内容について、さらに詳しく紹介する。

富士常葉大学大学院環境防災学研究科 教授 池田浩敬

【プロフィール】
1960年 7月 東京都生まれ
1985年 3月 早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了
(株)三菱総合研究所
主任研究員を経て2001年4月から現職
2001年10月 博士の学位(都市科学)取得
専門:都市計画、建築計画(災害復興計画他)

 
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